事例:私のモノ作り史

ストラクチャードコミュニケーションの10個の基本構造による伝わる情報の違いを理解するために、以下の事例を基に各構造を比較して解説します。

事例


私のモノ作り史

私の自己紹介として、私のモノ作りの変遷を紹介します。
小中学生のころは、プラモデル作りに凝っていました。近所にプラモデル屋さんが有ったので、毎週のように通ていました。お小遣いを貯めては、プラモデルを買って作っていました。その様なことも手伝い、モノづくりに興味があり高専に進学しました。
高専では、機械工学を専攻しました。そこで衝撃的な出会い「コンピュータープログラミング」を知りました。プログラム作りは、自分で設計するという工程が増え、創造的で新しいモノ作りの形でした。就職は、コンピューターメーカーにしました。
就職し配属されたのが、教育部門でした。そこから私の人材育成のキャリアが、スタートしました。先輩から、「人材育成は、農業のようなものだ」と言われたことを覚えています。それが理由かは定かではありませんが、今は家庭菜園での野菜作りに精を出しています。野菜作りは、自然という外因が増え不確実性が高まったぶん、収穫時の達成感はひとしおです。
これが私のモノ作りの歴史であり、今後もモノ作りに挑戦したいと思っています。



解説


「私のモノ作り史」の内容は、大きく三つの話題から構成されています。
  • 小中学生時代の「プラモデル」作り
  • 高専時代の「プログラム」作り
  • 現在の「野菜」作り
三つの話題を、10個の基本構造にそれぞれ当てはめてみましょう。
同じ情報でも構造別の図解の違いにより、伝えたいポイントや伝わり方の違いに着目しましょう。

並列

図1、並列での図解

まず、最も一般的な構造である、並列です。並列では、三つの話題が並列な関係にある場合に表現します。

図1では、「私のモノ作り史」に三つの話題があり、それが「プラモデル」「プログラム」野菜」であることが明確に分ります。

順列

図2、順列での図解(1)
図3、順列での図解(2)

事例では、「私のモノ作りの変遷」を説明しようとしています。話題の関連性に時間の変化があることに注目します。

時間の変化を示す構造の一つに順列があります。

図2では、モノ作りの対象が時間の変化に合せて変わっていく様子を、示しています。

図2では、各話題の大きさを同じサイズで表現しました。しかし、内容をよく読んでみると、それぞれで難しさが増しています。そこで、四角の大きさを変えることで、その難しさが増したことを表現したのが、図3です。
図3のように表現することで、単純に時間の流れを表すだけでなく、他の意味も付加することができます。

段階

図4、段階での図解

時間の変化を示す構造のもう一つに段階かあります。

段階は、時間の変化と併せて、難易度やレベルが変化する意味を含む場合に適しています。

今回のモノ作りでは、「プラモデル」→「プログラム」→「野菜」と対象が変化するのに合わせて、難しさが増していくような場合に、最適です。図4では、段階でモノ作りの変遷を、時間の変化と難易度の変化の両方を適切に表現しています。

比較

図5、比較での図解

今度は、各話題の内容(難易度など)の違いに着目して説明する場合の構造について考えます。

話題を比較し差異を表現する場合は、比較を用います。

図5では、「プラモデル」「プログラム」「野菜」の各話題について、「作る」「設計」「外因」の三つの要素で、比較しています。この様に表現することで、「作る」はすべての話題に共通の要素であることが示せます。また、「プログラム」では「設計」が、「野菜」では「外因」がそれぞれ追加された要素であることも、示せます。

関係

図6、関係での図解

話題や各要素の因果関係を示すのに適しているのが関係です。

図6では、モノ作りの対象が「プラモデル」から「プログラム」に変わった時に「設計」の要素が追加され、「プログラム」から「野菜」に変わった時に「不確実性」が追加されたことが表現されています。

配置

図7、配置での図解

この事例では、二つの要素(「設計」と「不確実性」)が変化しています。この様に、二つの要素を軸にして話題の差異を表現するのに適しているのが、配置です。

図7では、二つの軸を「工程(作業の範囲が狭いか広いか)」と「不確実性(低いか高いか)」で設定しています。「プラモデル」は、「工程」が「狭く」かつ「不確実性」が「低い」、左下に配置されます。「プログラム」は。プラモデルと比較し「工程」に設計が加わったことで「広い」となり、右下に配置されます。「野菜」は、プログラムと比較し「不確実性」に自然が相手であることで「高い」となり、右上に配置されます。

交差

図8、交差での図解

各話題の内容の共通点にも着目しする場合の構造について考えます。

交差は、話題の共通要素や差異要素を示すのに適しています。

図8では、「野菜」「プラモデル」「プログラム」の三つに共通する要素が「モノ作り」であることを示しています。また、」野菜」と「プログラム」の二つは「設計」が共通の要素であることを示しています。そして、「野菜」だけは「自然が相手」であることを示しています。このように交差では、共通する要素と、差異のある要素を同時に示すことができます。

対比

図9、対比

ここからは、残りの構造について三つの話題をあてはめてみましょう。

対比は、二つの対となる要素で比べる場合に適しています。

図9では、「楽しさ」と「難しさ」という対となる要素で、三つの話題を比べた例です。
※今回の事例ではこの観点で比べるのに、十分な情報が無かったので、聴き手の受けた感想でそれぞれを矢印手の長さで表してみました。

階層

図10、階層

階層は、話題の間に上下関係がある場合に適しています。

図10では、「プラモデル」「プログラム」「野菜」の順で、難しさが増していることを示しています。

しかし、この図を見た時は、この上下関係に違和感を覚える(しっくりこない)方もいるでしょう。その意味で注目度は、上がるかもしれません。
しかし、図解による表現は、図解を見て話しの構造が容易に分ることが最大の目的です。その意味では、今回の事例においては適切な構造とは言えません。

包含

図11、包含

包含は、話題の間に大小関係がある場合に適しています。

図11では、「プラモデル」「プログラム」「野菜」の順で、作業工程の範囲が広くなっていることを示しています。

しかし、この図を見た時は、この大小関係に違和感を覚える(しっくりこない)方もいるでしょう。その意味で注目度は、上がるかもしれません。
しかし、図解による表現は、図解を見て話しの構造が容易に分ることが最大の目的です。その意味で階層同様、今回の事例においては適切な構造とは言えません。




以上、「私のモノ作り史」という事例に対して、10個の基本構造でそれぞれ表現し図解しました。
同じ情報でも構造別の図解の違いにより、伝えたいポイントや伝わり方の違いを理解できましたか?